• お稽古のご予約
  • 筆文字のご依頼

この感覚、忘るるべからず

先日、コロナワクチン2回目接種を終え、副反応で高熱を出し、2日間寝込みました。

3日目、熱も下がり、締切間近の原稿(手書き指定。ペン書き)に取りかかったところ、思うように字が書けない!止めたいタイミングで止められない、上がりたい下がりたい角度にならない、力が思うように入らない抜けない・・・。その様な微妙なズレで、締まりがなくふにゃふにゃの字になんとも情けなくなりました。そうなると余計に力が入り、益々不細工な字になります。高熱の後でまだ時々頭痛がしたり、ふらふらする感じがあったりしており、体調が万全ではないことが字にそのまま現れました。

私は字を書くのを仕事としていますが、日頃パソコンを使われる方はキーを叩く感覚の違和感で、体調不良に気づくこともあるのではないでしょうか?

時間の経過とともに体調も回復方向にむかい、ようやくこの仕事の終盤にはいつもの字が書けるようになり、締切前に無事終了。最初のページと最後のページの字は全く違うものでしたが、とりあえず読めればよし、と。

・・・この時、普段お稽古に通ってくださるお弟子さん達の表情が浮かびました。思うような字にならない、形がきまらない、長さが合わない、など、皆さんは切磋琢磨され、何枚も練習して、お稽古の度にぐんと上達されて帰られます。私も思う字が書けない経験してみて、この感覚を忘れてはいけない!と思いました。そして、こんな時はどうしたら良いのかを試行錯誤してみました。眼鏡が合わないのかな?椅子の高さは?室温?癒しの音楽をかけてみる?・・・環境を色々と工夫しながら少しずつ。・・・気づきました!先ずは、力を抜くこと!書けないと思うと何故かすごく力んで書いていることに気づき、軽くペンを持って肩の力を抜くと書ける書ける!最初から力が入っていると、ここという時に力が入らないのです。例えば、ブランコ。押してあげる方は、引いてからポンと押して手を離します。引く時にガチガチにはなっていません。軽く引いて、力を入れるのは押す瞬間のみ。そして、力を解き放して前へ送り出します。これだ!ブランコを押しながらずっと力が入っていたとしたら、逆にブランコは失速して乗っている方は全然面白くない、ということと同じだと思いました。

なーんか上手くいかないなあ、と感じた時には力を抜いてみてください。思うようにいくかもしれません。